テーマ:菜根潭

七十五、心は虚にし実にする

心は虚ならざるべからず。虚なれば則ち義理来る居る。心は実ならざるべからず。実なれば則物欲入らず。 (訳)心を雑念でみたしてはならない。雑念が詰まっていなければ、そこに道理がはいってくる。心はいつも充実させておかなければならない。充実させておけば、物欲の入り込む余地がなくなる。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

七十四、持続する幸福

一苦一楽、相磨練し、練極まりて福を成すは、その福始めて久し。一疑一信、相参勘し、勘極まりて知を成すは、その知始めて真なり。 (訳)時には喜び、時には苦しみながら、その果てに築きあげた幸福であれば、いつまでも持続する。時には信じ、時には疑いながら、熟慮の末につかんだ確信であれば、もはや動かしようがない。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

七十三、真理の道に遊ぶ

天理の路上は甚だ寛し。稍や心を遊ばしめば、胸中すなわち広大宏朗なるを覚ゆ。 人欲の路上は甚だ窄し。わずかに迹を寄すれば、眼前ともにこれ荊棘泥塗なり。 (訳) 真理の道は、あくまでも広い。そこに遊んでいるだけで、広々と晴れやかな気持ちになる。欲望の道はせせこましい。一歩踏み込んだだけで、いばらやぬかるみに足をとられて、もがき苦しむ。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

七十二、心の暖かい人

天地の気、暖なれば則ち生じ、寒なれば則殺す。故に性気の清冷なる者は、受亨もまた涼薄なり。ただ和気熱心の人のみ、その福もまた厚く、その沢もまた長し。 (訳)  気候が温暖であれば万物は生育し、寒冷になれば枯死する。    人間についても同じこと、心の冷たい者は幸せに恵まれることが少ない。    末長く幸せに恵まれるのは、心の暖か…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

七十一、多弁の落とし穴

十の語九中るも、いまだ必ずしも奇と称せず。一語の中らざれば、則ち愆尤駢び集まる。十の謀九成るも、いまだ必ずしも功を帰せず。一謀成らざれば、則ち訾議叢がり興る。君子はむしろ黙して躁なることなく、むしろ拙にして巧なることなき所以なり。 (訳)十回予想をたてて九回的中させたとしても、褒められるとは限らない。一回でもはずれれ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

七十、幸福をよびこむ

福は徼むべからず。喜神を養いて、以って福を召くの本となさんのみ。禍は避くべからず。殺機を去りて、以って禍に遠ざかるの方となさんのみ。 (訳)幸福は求めようとしても求められるものではない。常に喜びの気持ちをもって暮らすこと、これが幸福を呼びこむ道である。不幸は避けようとしても避けられるものではない。つねに人の心を傷つけないように心がける…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十九、幸せをもたらすには

燥性なるは火のごとく熾んに、物に遇えば則ち焚く。寡恩なるは氷のごとく清く、物に逢えば必ず殺す。凝滞固執するは、死水腐木の如く、生機すでに絶ゆ。ともに功業を建て福祉を延べ難し。 (訳)せっかちで落ち着きがないのは燃えさかる炎のようなもの、周りの者をやきつくしてしまう。恩情のないのは冷たい氷のようなもの、みんなの心を冷えびえとさせる。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十八、安きに居りて危うきを思う

天の機緘は測られず。抑えて伸べ、伸べて抑う。皆これ英雄を播弄し、豪傑を顛倒する処なり。君子はただこれ逆に来たれば順に受け、安きに居りて危うきを思う。天もまたその技倆を用うる所なし。 (訳)天の意志は、予測することができない。試練を与えるかと思えば栄達を保証し、栄達を保証するかと思えばこんどはまた試練を下す。これにはさすがの英雄豪傑たち…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十七、善行の中に悪の芽

悪を為して人の知らんことを畏るるは、悪中になお善路あり、善を為して人の知られんことを急にするは、善処すなわちこれ悪根なり。 (訳) かりに悪事を働いても、人に知られることを恐れているなら、まだ見所がある。せっかく善行を積んでも、早く人に知られたいと願うようでは、すでに悪の芽を宿している。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十六、ものは考えよう

人は名位の楽しみたるを知りて、名なく位なきの楽しみの最も真たるを知らず。人は饑寒の憂いたるを知りて、饑えず寒えざるの憂いの更に甚しきたるを知らず。 (訳)名誉や地位を得ることが幸せだと思われているが、じつは、名誉もなく地位もない状態のなかにこそ最高の幸せがある。  飢えに泣き寒さに凍えることが不幸だと思われているが、じつは、飢え…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十五、心が澄んでいれば

心体光明なれば、暗室の中にも青天あり。念頭暗昧なれば、白日の下に厲鬼生ず。 (訳)心が澄みきっていれば、どんな暗がりにいても、良心をくらまされることはない。心が曇っていれば、どんな明るみにいても、悪魔のとりこになる。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十四、名誉欲と功名心を去れ

名根いまだ抜けざるは、縦い千乗を軽んじ一瓢に甘んずるも、総て塵情に堕つ。客気のいまだ融けざるは、四海を沢し万世を利すといえども、終に剰技となる。 (訳)名誉欲が抜けきっていなければ、たとい高い地位に見向きもせず清貧な生活に甘んじていたとしても、たんなる俗物にすぎない。  功名心が抜けきっていなければ、たとい国家社会に大きな功績が…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十三、満つれば欠ける

欹器は満つるを以って覆り、僕満は空しきを以って全し。故に君子は、むしろ無に居るも有に居らず、むしろ缼におるも完に処らず。 (訳)「欹器」(水を入れる銅器)は口まで水を満たすとひっくりかえる。「僕満」(銭を貯める土器)は中身がいっぱいになると、打ち壊される。  君子もまた満ち足りた状態を求めず、無の境地に身を置くよう…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十二、大功は功術なし

真廉は廉名なし。名を立つるは、正に貧となす所以なり。大功は功術なし。術を用うるは、すなわち拙となす所以なり。 (訳)ほんとうに清廉であったら、清廉の評判など立たない。評判が立つのは、顕示欲が強い証拠である。  ほんとうに最高の技を身に付けていたら、妙技など見せびらかさない。妙技を見せびらかすのは、未熟な証拠である。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十、百年生きても

春至り時和らげば、花なお一段の好色を鋪き、鳥また幾句の好音を囀ず。士君子、幸いに頭角を列ね、また温飽に遇う。好言を立て好事を行うことを思わざれば、これ世に在ること百年なりといえども、恰もいまだ一日も生きざるに似たり。 (訳) 春が来てうるわしい季節ともなれば、花もあでやかに開き、鳥もまた楽しげにさえずる。社会の指導的立場にある者が…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

六十一、春の暖かさが必要

学ぶ者は段の兢業の心思あり、また段の瀟酒の趣味あるを要す。若し一味に斂束清苦ならば、これ秋殺ありて春生なきなり。何を以ってか万物を発育せん。 (訳)道を会得しようとするなら、まずきびしく姿勢を正す必要があるが、しかし一面では、ものごとにこだわらない洒脱な精神も必要である。ひたすらわが身を苦しめるだけのことなら、秋の冷たさはあっても…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

五十九、同じ花でも

富貴名誉の、道徳より来たるは、山林中の花の如し。自ずからこれ舒除繁衍す。功業より来るは、盆檻中の花の如し。すなわち遷徙廃興あり。権力を以って得るものの若きは、瓶鉢中の花の如し。その根植えざれば、その萎むこと立ちて待つべし。 (訳)徳望によって得た富貴名誉は、野山に咲く花、自然に枝葉が生い茂る。    功業によって得た富貴名誉は、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

五十八、失意は得意のなかに

苦心の中に、常に心を悦ばしむるの趣を得。得意の時に、すなわち失意の悲しみを生ず。 苦労しているさなかにこそ、喜びがある。時めいていると、とたんに失意の悲しみがおとずれる。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

五十七、真価をそこなう

人心に一部の真文章あれども、都て残編断簡に封錮し了らる。一部の真鼓吹あれども、都て妖歌艶舞に湮没し了らる。学ぶ者はすべからく外物を掃除し、直ちに本来を覔むべく、わずかに個の真受用あらん。 人間の心には、もともと素晴らしい文章が刻まれ、妙なる音楽が奏でられている。ところが、せっかくの文章も知識のガラクタによって封じこま…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

五十六、役に立たないもの

書を読みて聖賢を見ざれば、鉛槧の傭となる。官に居て子民を愛せざれば、衣冠の盗となる。学を講じて躬行を尚ばざれば、口頭の禅となる。業を立てて徳を夘売る種うるを思わざれば、眼前の花となる。 (訳) 書物を読んでも、聖賢の心にふれなければ、文字の奴隷にすぎない。官史となっても、民衆をいつくしまなければ、禄盗人にすぎない。学問を教えても、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

五十五、割りに合わない

奢る者は富にて而も足らず。何ぞ倹なる者なる者の貧にして而も余りあるに如かん。能ある者は労して而も怨みを府む。何ぞ拙なる者の逸にして而も真を全うするに如かん。 (訳) 贅沢な暮しをすれば、どんなに資産があったとしても、心の満足は得られない。これでは、つつましいながらも、裕りある暮らしをしている人に遠く及ばない。  やり手の人は、あ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

五十四、古人に学ぶさいには

心地乾浄にして、方めて書を読み古を学ぶべし。然らざれば、一の善行を見ては、竊みて以って私を済し、一の善言を聞きては、仮りて以って短を覆う。これまた寇に兵を藉し、盗に粮を齎すなり。 (訳)書物を読んで聖賢の教えに親しむには、まず気持ちを清浄にしてかからなければならない。さもないと、せっかく古人の立派な行動や言葉に触れても、私利を追求…
トラックバック:1
コメント:0

続きを読むread more

五十三、自他を比べる

人の際遇は、斉しきあり斉しからざるあり、而してよく己をして独り斉しからしめんや。己の情理は、順なるあり順ならざるあり、而してよく人をして皆順ならしめんや。これを以って相観対治せば、またこれ一方の方便の法門なり。 (訳)人の境遇はさまざまであって、恵まれている者もいれば恵まれていない者もいる。それなのに、どうして自分一人だけすべての…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

五十二、感謝を期待するな

恩を施す者は、内に己を見ず、外に人を見ざれば、すなわち斗栗も万鐘の恵みに当たるべし。物を利する者は、己の施しを計り、人の報いを責むれば、百鎰といえども一文の功を成し難し。 (訳) 人に恩恵を施す場合には、恩着せがましい気持をあらわしたり、相手の感謝を期待するような態度を見せてはならない。そうすれば、たとい米一斗の施しでも百万石の値…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

五十一、忘れてよいことわるいこと

我、人に功あらば念うべからず。而して過ちは則ち念わざるべからず。人、我に恩あらば忘るべからず。而して怨みは則ち忘れざるべからず。 (訳) 人に施した恩恵は忘れてしまったほうがよい。だが、人にかけた迷惑は忘れてはならない。人から受けた恩義はわすれてはならない。だが、人から受けた怨みは忘れてしまったほうがよい。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

五十、時代によって

治世に処してはよろしく方なるべく、乱世に処してはよろしく円なるべく、叔季の世に処してはまさに方円並び用うべし。善人を待つにはよろしく寛なるべく、悪人を待つにはよろしく厳なるべく、庸衆の人を待つにはまさに寛厳互いに存すべし。 (訳)秩序が確立している時代なら、あくまでも正義を貫いて生よ。秩序が混乱している時代なら柔軟な処世を心がけよ…
トラックバック:0
コメント:1

続きを読むread more

四十九、幸せと不幸

福は事少なきより福なるはなく、禍は心多きより禍なるはなし。ただ事に苦しむ者のみ、方めて事少なきの福たるを知り、ただ心を平らかにする者のみ、始めて心多きの禍たるを知る。 (訳) なにが幸せかといって、平穏無事より幸せなことはなく、何が不幸はといって、欲求過多より不幸なことはない。 しかし、あくせく苦労してこそ、はじめて平穏無事の幸せ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

四十八、人の目のとどかぬ所

肝、病を受くれば則ち目視ること能わず。腎、病を受くれば則ち耳聴くこと能わず。病は人の見ざる所に受けて、必ず人の共に見る所に発す。故に君子は罪を昭々に得ることなきを欲せば、先ず罪を冥々に得ることなかれ。 (訳) 肝臓が冒されれば目が見えなくなり、腎臓が冒されれば耳が聞こえなくなる。このように、病気というのは、人の目のとどかぬ個所に発…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

四十七、雲水の心境で

徳を進め道を修るには、個の木石の念頭を要す。若し一たび欣羨あれば、すなわち欲境に 趨かん。世を済い那を経するには、段の雲水の趣味を要す。若し一たび貧着あれば、すなわち危機に堕ちん。 (訳)修養によって人格の向上をはかろうとすれば、なにものにも動じない木石のような心境を必要とする。なぜなら、いちど誘惑に負けただけで、たちまち欲望の…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

四十六、善人と悪人のちがい

吉人は作用の安祥なるを論ずるなく、すなわち夢寐神魂も、和気にあらざるはなし。凶人は行事の狼戻なるを論ずるなく、すなわち声音咲語も、渾てこれ殺機なり。 (訳)善人は、なにごとにつけおだやかな態度をとるばかりでなく、寝ているあいだでも、和気に満ちて親しみやすい。  悪人は、やることなすこと狂暴なばかりでなく、笑い声をたてるときでも、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more